10月28日にグフィリス・パークで行われたサウスコースト・カンファレンス予選で、わがエルカミノ・カレッジ クロスカントリー部は男女そろって入賞(6位まで)を果たし、11月4日のサザン・カリフォルニア選手権に進出しました! ここで14位以内に入ると、カリフォルニア州選手権に出場することができます。これがシーズン最大の目標。チーム内の雰囲気はとても盛り上がっていて、メンバーは最終調整に余念がありません。
あくまで2年制のコミュニティ・カレッジの大会で、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)やUSC(南カリフォルニア大)などの4年制大学や一般のジュニア・カレッジ(2年制)と競い合うわけではありませんが、きちんと地区予選から州大会までステップが用意されていると、十分にアスリートの競技熱を刺激するのです。私は大学時代で競技として走るのはやめたつもりでしたが、久々に“戦う”モードに入り、手足がしびれるようなスピード練習やレースを“堪能”しています。
ところで、34歳であるところの私は、カレジエイト(大学レベル)大会では私が最年長だろうと勝手に決めてかかっていましたが、これは間違いでした! 他チームに、40代の選手を発見したのです。たしかに、私がエルカミノのスポーツチームに入れたのも、入部条件に制限年齢がなかったから。フルタイムの学生であること(1学期12単位以上を履修)と競技歴(入部テストがある場合も)だけ。だから体力がもてば、“30代、40代、50代の学生アスリート”は、ありえるのです。高校卒業したての若者から白髪の老人まで、まさに老若男女・人種問わず大勢の学生が学ぶコミュニティ・カレッジならでは、です。
このコミュニティ・カレッジというシステムですが、地域・市が運営する大学で、カリフォルニア州だけで109もあります。4年制や他の短大よりも学費が安いので、ここで取れる単位をとってから4年制大学に編入するという学び方が、アメリカでは一般的だそう。留学生も山ほどいます。やはり、学費が安く、入学条件(TOEFL スコア)も厳しくないので、入学しやすいのです。それに、もともと市民がそれぞれのキャリアに必要な知識や資格を得るために学ぶ大学ですから、ビジネス、アート、サイエンスはじめ、ありとあらゆる分野のクラスがあるのが、魅力。私の場合は、とにかく英語を身につけて外国人にも直接インタビューできるようになるのが渡米の目的だったので専攻などは考えていませんでしたが、入学後に体育専攻コースを発見するや、そこに飛び込みました。スポーツライターとしても市民ランナーとしても必要なことを学べると思ったのです。大正解でした。今は、講義をもとにクロスカントリーランナーのためのトレーニングメニューを作成中です。
そこで。わたしは自らの体験を通して、コミュニティ・カレッジ“プチ”スポーツ留学を提案したいと思います。なにしろ、学生時代でさえ十人並み以下だった私でも受け入れてもらえたのです。トップレベルのアスリートでなくても、アメリカのカレジエイト・スポーツを体験できるます。もちろん、アスリートとしてレベルアップを目指し、ユニバーシィティへ進んでNCAA(ナショナル・カレジエイト・アスレティック・アソシエーション)レベルで競技するのはすばらしいことですが、NCAAスポーツはオリンピックレベルですから、ほんの一部の俊才を除いたら、手の届かない場所じゃないかと思います。だから、コミュニティ・カレッジ・レベルで頑張ってみる、というわけです。ちなみにエルカミノにあるのはアメフト、サッカー、野球、ソフトボール、バレーボール、バスケットボール、バドミントン、テニス、水泳&水球、陸上競技&クロスカントリーの各部。他のクラス・コースと同じように履修申し込み時に、たとえば“女子カレジエイト・クロスカントリー・チーム、オフシーズントレーニング”を選択。あとは最初のミーティングに出るだけです。
ほかのカレッジについては、まずhttp://www.cccco.eduに、アクセスしてみてください。ここにカリフォルニア中のコミュニティ・カレッジのリストがあり、そこから各校のウェブサイトに行くことができます。専攻コースの紹介やスポーツチームの情報をそこでさがします。住まいの斡旋情報もあります。学校を選んだら、入学資料を取り寄せ、規定に達したTOEFLスコアを添えて申請すれば、入学許可証(I-20)が送られてきます。そして学生ビザ申請→面接→ビザ取得。あとはアメリカに渡るだけです。
部活に入ってよかったと思うのは、このトシでも学生スポーツを楽しめることとともに、英語コミュニケーションの訓練が自然にできること。なにしろ“走る”という共通項を持った人々の集まりですから、会話のきっかけがたくさんあるわけです。最近は、18、19歳のチームメイトたちの恋愛相談に乗ったりもします。11月4日のサザンカリフォルニア選手権は、サンディエゴへの宿泊付遠征。存分に楽しんできたいと思います。
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