7月4日のアメリカ独立記念日、チームメイトたちが5キロ・レースに出場するというので、彼らをチアー・アップするために早朝から出かけました。
場所はロサンゼルスの南西、レドンドビーチ。サンタモニカ、ベニスといった観光地化されたにぎやかなビーチと違い、桟橋に遊園地があったり浜沿いに店が並んでいたりはしませんが、その分、毎日、朝から晩まで、サイクリングやインラインスケート、ジョギングを楽しむ人たちが絶えません。
そんな海辺の街では、健康意識の高い地元民たちから信頼を得ているランニング専門店“ビレッジ・ランナー(Village Runner)”が、市の警察、消防署と協力して年3〜5レースを開催しています。この「4th of July 5km Run/Walk&Kids Firecracker Dash 」もそのひとつ。今回13回目を数え、総勢約2500人が参加しました。種目は子供たちのダッシュ、400m走、800m走と、5キロのラン&ウォーク。性別・年齢別で細かく部門が分かれ、各部上位3位まではメダルが授与されます。最年少部門はなんと1〜8歳、最高齢部門は80歳〜無制限! 2歳のローズ・ブレンダン君が29分05秒、86歳のベリル・カラハンさんが48分52秒でフィニッシュしています。小さな子供たちは保護者同伴で、わがエルカミノ・カレッジのヘッドコーチ、ディーン・ロフグレンも10歳の愛息ニッキーを励ましながら走っていました。
男子14分台、女子17分台のシリアス・ランナーたちがトップ争いを繰り広げていたし、エルカミノのチームメイトたちは練習の一環として真剣に走っていましたが、レース全体の雰囲気は“競技”ではなくレクリエーション。家族やご近所同士、職場グループのイベントとして参加している感じでした。愛犬を引っ張っていたり(引っ張られていたり?)、ジョギング用のベビーカーを押しながらだったりと、それぞれのスタイルで、それぞれの目的に応じてこのレースを楽しむのです。レースの後、どのストリートもタオル片手に我が家まで歩いて戻るランナー、ウォーカーたちであふれていて、ゼッケンをつけたままの恰好で、カフェで“打ち上げ”をするグループも。エルカミノの体育学科の教授トム・へーゼル先生にも会いました。生涯スポーツについて講義する元レスリング選手は、ご自身が生涯スポーツの参加者でもあるのでした。
この人たちはまさに健康で幸せな人生を追求している人たち、といえるでしょう。人口の60%が肥満・肥満傾向にあるアメリカにおいて“健康”は国全体の関心事。Healthy
People 2000(U.S. Public Health Service,1991),Healthy People 2010(U.S. Department
of Health and Human Service, 2000) という政府機関の出版物が健康社会を実現するためのバイブルになっています。そこに記されている10の指針は、
- 身体活動(Physical Activity)
- 体重超過と肥満(Overweight and Obesity)
- 喫煙(Tobacco Use)
- 薬物乱用(Substance Abuse)
- 正しい性的行動(Responsible Sexual Behavior)
- 精神衛生(Mental Health)
- 怪我と暴力(Injury and Violence)
- 環境(Environmental Quality)
- 免疫(Immunization)
- 医療の享受(Access to Health Care)
とくにHealthy People 2010のトピックの中心となっているのが、ひとつめのフィジカル・アクティビティ。適度な運動を日常的に行うことで、生活のクオリティを高めよう、という提案がなされています。医療や保険のコストが上昇している社会において、病気にならない生活、より健康な生活を維持・向上すること。“ライフスタイル・マネージメント”が、個人の、地域のスローガンとなっているのです。
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